すきちかもど宇宙星探求隊 解散案
1,平成9年8月10日を以て「すきちかもど宇宙星探求隊」を
解散する事を提案します。
今年2月から行なわれている理事会の際に、会員の方より多数の意見を
いただきました。その中には会の目的の変更、運営方法の改革案など会の
基本的、基礎的な事から会則や決まり事の大変更を要するものまで、今、
会が抱えている様々な問題点を解決するための案もありました。また、会
の運営とは皆が試行錯誤しながら行なっていくものというものもありまし
たので、そこで私一人の考えでこれからの会の事を決めていくと険悪にな
るのは目に見えていて何を言われるかわかりません。鈴木氏の作った会な
のだから鈴木氏が方針を打ち出し、それに賛同する者のみ残ってやってい
けば良いというありがたい意見もありますが、そういう独裁的な事は許さ
ないという意見の人がいる事も事実です。
そこで、皆さんの意見をもとに今後の会のあり方を決めていく時に、私
は一つの提案をします。まず、一度この会を解散します。当然私の本意で
はありませんが、全員が納得してもらえる、誰にも公平な案だと思います。
解散によってすべてが白紙になり、煩わしい会則や運営方法による意見の
対立などから解放されます。本当の意味で横一線、誰が会を作った、誰が
古株だなどという思いも一掃できます。そうして皆さん一人一人が主体と
なって新しい同好会を初めから全員で作り上げていけば良いのです。
しかし、様々な意見が多い状況ではそれらを一つにまとめるのは容易で
はないでしょう。会に対して何を求めるのか、会の目的は?それらを達成
するための手段は?一つにまとまらなければ当然分裂も有り得る事です。
中には少数意見で大勢が意にそぐわない方向へ向いてしまう事もあるで
しょう。私自身10年前から会に求めていた一つの理想というものがあり
ますが、皆さんの大勢がそれと違う方向にまとまってしまったのなら、私
はその新しい会には入らず、私の理想とする会をまた一から創り直す予定
でいます。その時は皆さんと別れてしまうかも知れません。
入会したら、思っていた会と違っていた。そうしたら普通は退会するで
しょう。だから私はそういう会を無理に変えようとせず、会の方針にそぐ
わない時にはやめようと思います。それが普通のことじゃないでしょうか。
すきちかもど天文同好会を発足させた者として反感、誤解、反対意見を
恐れずに私の思いを述べさせてもらいます。
すきちかもど宇宙星探求隊は、今から約6年前の平成3年8月にすきち
かもど天文同好会とSPACE WITH STARS SEARCHER'S〜宇宙星探究隊が合
併し発足しました。それを遡ること約5年、今から11年前の昭和61年
9月に私が、当時あまり乗り気でなかった小野氏と「一部の地方でしか見
られない掩蔽などの情報交換の出来る会」という趣旨のもとに「すきちか
もど天文同好会」を発足させました。そして全国に会員を募集したのです
が、その時の私達はまだ中学生で、観測移動手段も鉄道を利用するしかな
く、とても他の会員と年に何回も会える様な状況ではありませんでした。
当然、顔を合わせての総会や観測会は無く、一度も会った事がない人ばか
りの中で不定期だった会報の発行が唯一その会が存在している証しのよう
な状態であり、会員を繋げる絆だったわけです。そして観測はすべて各会
員がそれぞれ個人で行ない、それを会報を通じて発表したり、写真を交換
したりしてその目的を達成していました。
その後すぐ、会則改正があり、会の目的を現在の「本会は、天文学の研
究発達及び普及を進め、兼ねて会員相互の親睦を増すのが目的である」に
改められました。私は「天文学の研究発達及び普及を進め」の部分は理想
目標で、「会員相互の親睦を増す」の部分を実質的な目的と考え、親睦重
視に会の運営を行なってきました。それがこの会を創った私の目的でもあ
るからです。
ここで会員の皆さんに聞きますが、この会の目的に異論のある方には残
念ながら退会して頂かなくてはなりません。なぜなら、この会は「会の目
的に賛同し、会費を納める者によって組織する。」からです。私は皆さん
が案内書を希望した際にお送りした同好会の案内書にこの点は明記してあ
ります。それらに納得した方が入会申込書を送ってくる訳ですが、私は入
会に際して審査や条件をつけませんでした。私が創った同好会にまた、そ
の目的に賛同してくれたであろうから入会を承認したのです。
最近、誤解や受け止め方の違いから、会則に関する事でかなり激しい言
葉で私に言ってきた方がいました。その方は会則で総会が本会の最高議決
機関とうたっているにもかからわず、会則改正には総会で可決した上に会
長の承認を得なくてはいけない条文は矛盾していると言いたかったらしい
のですが、その際に明治以前の様な条文で、鈴木氏は道を誤りつつある、
三権分立どころか全権を掌握しすきちかもど鈴木帝国を目指しているので
しょうか?お山の大将よろしく。という言葉も添えられていました。それ
には私もショックと怒りを覚え、その方に個人的に個人名で退会される様に
お願いしました。それを知った他の方が、会長の権限によって会員をやめさ
せる様な事は絶対許されるものではなく、至急撤回するとともに釈明し謝罪
して下さいと言って来たのです。その方には私はそのお願いを個人的に出し
た事であり、退会させたのではなく、退会のお願いをしただけという事で一
応納得してもらいましたが、鈴木氏が会長という職にいる限り、会長として
の発言ととられてもおかしくないので注意していただきたい。との事でした。
誰でもかれでも、何の理由もなく辞めてもらうという事ではないのですか
ら、何か会の人に嫌な思いをさせた、公序良俗に反する、会の雰囲気を故意
に乱すような事があったら辞めさせても良いように思います。
この会の中で民主主義を完全に行なっていない事がいくつかありました。
その中で重大なものは、すきちかもど天文同好会とS3の合併過程そのもの
でしょう。合併話しは私と黒田氏で話しをまとめた事は疑いのない事実です。
勝手に合併を進めるなと言った人はいませんでしたね。その後の会名はどう
でしょうか。私は一応皆さんにアンケートを取りました。その結果一番多か
ったのは「すきちかもど天文同好会」でした。全会員の多数決では圧倒的に
「すきちかもど天文同好会」だったのにもかからわず、私の一存で「すきち
かもど宇宙星探求隊」にしたのです。でもなぜか反対は出ませんでしたね。
会の運営は絶対に会員全員の総意(多数決)で行なうべきという方に申しま
す。その時なぜ文句を言わなかったのですか?では会名を以前に遡って訂正
しましょうか?合併話しも無かった事にしましょうか?
私は良く言うのですが、国の政策や法律など逃れようもないものに対して
は民主主義であるべき事だと思いますが、嫌ならやめる(逃げる)事のでき
る、ある目的のための団体にすべて多数決で物事を決めていく完全多数決制
民主主義を取り入れるとどうなるか?
例えば極端ですが、5人集まって観測会をやるために作った天文同好会に
10人の走り屋たちが入会したとします。彼らも一応天文に興味を持っては
います。ふとした拍子に総会で誰かが走り屋の会にしようと言い出し、後か
ら入会した10人は皆賛成したとします。10対5で可決されてしまいます。
最初の目的がないがしろにされかねない、私達のような団体で取り入れると
怖い多数決制民主主義です。ここまで極端な例は無いと思いますが、簡単に
言えば乗っ取りができるのです。国と私達の会は違います。その運営方法は
むしろ会社を参考にしていくべきでしょう。
会を創った当初から会の組織上の役職は数多くありました。当時の私は、
これからの将来、会員が増えてきた時にもちゃんと対応できるようにと考え
ていたからです。最初はほぼすべてに私の名前が書かれていました。会員全
員役員という事もありました。会員数以上に役職があったのですから当然で
す。名前は別の人でも実質的には私がその仕事をこなしていました。会員の
募集から会報の制作に至るまで同好会としての仕事をすべて一人で行なって
いたと言えるでしょう。会員数が多くなると定期的な会報制作など私一人で
はとてもやっていけなくなります。そこで何人かに実質的に仕事を分担して
もらうようになりました。
そのように色々な仕事を部長などの肩書きを付けてお願いしていくと、気
が大きくなる人がいるものです。本人としては引き受けた以上一生懸命やろ
うという気持ちが大きいのでしょうが、そのうち会の活動に自分の意志、目
的を反映させようとしてきます。私が役員になって下さいとお願いした人が
一度役員になると私は役員なんだ、総会で承認されているんだ、となり、役
員の中でさえ意見の食い違いを生じ、運営に支障をきたす事もありました。
議論する事は結構ですが、皆さん会の目的を忘れていませんか?
皆さんに言っておきたい事があります。私にはたとえ他の人が全員反対し
たとしても譲れない一線があります。それは会を創った者としてです。
私はこの会が皆さんが良ければ何でも良いなんて思っていません。私が何
のこだわりも無く本当にこの会がどうなってもいいなら新しく会を創ったり
なんかしません。11年前、私は川越周辺の天文同好会の入会案内書を取り
寄せました。何のこだわりもなければ、そのいずれかの会に入会し、すきち
かもど天文同好会など創らなかったでしょう。しかし、私はそれらの同好会
には入らず、それらの同好会には無い私なりの理想を求めたからこそ、全く
新しいすきちかもど天文同好会という会を創ったのです。
もうそろそろ私も切れていいでしょうか?会の運営上、何度となくもめ事
の当事者となり、その都度堪え(たまには切れましたが)今までやってきま
した。はっきり言いましょう。皆さんがこの会をより良いものにしていくた
めに色々議論する事は大変結構な事です。しかし、会のためではなく、自分
の目的のために議論しているととれる人が私から見れば見受けられます。ま
た、会の目的を変更するなど先に述べた理由から私としては許しがたい事で
す。
私はこの会を創って私なりの理想で運営してきました。その方針が嫌なら
皆さん退会して下さい。私は皆さんに残っていてくれと懇願するつもりはあ
りません。私は私の理想を求めるためにこの会を創ったのです。私はあなた
がた会員一人一人の理想を実現させるためにこの会を創ったんじゃありま
せん。そんなに気に食わないなら、自分で新しい会を創ったらどうですか?
私は11年前に創ったこの会の理想を崩されたくはありません。会則が気
に食わないなら、自分の気に入る会則の新しい会を創ったらどうですか?
活動内容が気に食わないなら、毎月観測会を行なう新しい会を創ったらど
うですか?もういい加減にして下さい。
平成9年4月 鈴木英夫
解散案の補足です。
今、会員全員に共通している事は何でしょうか?それは天文という趣味を
持っている事。では、会に求めている事は何でしょうか?友達の繋がりを持
ちたい、仲間が欲しいとほとんどの人が思っているでしょう。
皆なで集まって何か活動していく事の不可能に近い全国的な会で、会えな
くても、一緒に星を見れなくても、知り合い、友人になる事だけでいいんだ
と納得してくれていれば良いのです。そこからさらに会としての活動で何か
を求められると非常に難しい事が出てきます。それが、皆さん共通のものな
ら良いのですが、観測会をやるべき、観望会で良い、飲み会をやろう、遊園
地に行こう、カラオケをしよう、そんな天文と関係の無い事はやるべきじゃ
ない・・・・と人それぞれ会に求めるものの考え方の違いから、完全にまと
まりのない会になってしまいます。
他の例で言うと、同じ”車”という趣味がある人たちが集まっても、オフ
ロードの人もいればスポーツカー、カスタムカーなどの人もいて、さらに、
運転をしたい人もいれば、見ているだけで良い人まで様々です。お判りでし
ょうか?車が好き(=星が好き)というだけでは、その先何を求めるのかに
よってこんなにもバラバラになってしまうのです。
じゃあ他の会はどうなんだ?って聞かれたら、殆どの会(地域的な会)は
何でもアリです。とにかく全会員がすぐに集まりやすい、場所的、時間的ク
レームが出ないし、回数も多くできるし。全国的な会で問題になるような事
が比較的簡単にクリアーできるからでしょう。
先の会の活動縮小案は、一時的にしろ皆さんの共通する部分だけで、意見
の食い違いが生じない範囲の活動をしていきましょう。というものでした。
本音ではもっともっと活発な会を望んでいても、現状や今までの経緯を考え
るとやむを得ないとする多数の賛同を得られましたが、それでもなお残るで
あろう問題点を指摘する意見、真っ向から反対する意見もありました。
人が集まれば意見の違いは出てくるものですが、会運営の障害となり、会
員同士の仲を悪くするような事になってはならないのです。討論するための
会ではなく、けんかするための会でもなく、親睦を深めていくための会なの
ですから。
以前から、複数名より一度会を解散してはどうかという話しはありました。
2月のアンケートの際にも会の解散にふれている方がいました。
私が、この際一切を白紙に戻す解散案を出す事になった、出す決心がついた
理由がこの辺にあります。
(補足おわり)