正しい 天文同好会の入会方法

 

 まず、天文に興味を持ったなら、ぜひ同好会に入会することをお勧めします。雑誌や書物での独学でもある程度の知識と技術は習得できます。しかし、それではおのずと限界があり、また、いっしょに楽しむ仲間がいなければ、きっと長続きせず、楽しくないでしょう。

 

 同好会では、一人ではできない様々な可能性がひらけます。入会する事のメリットのまず1番は、共通の趣味を持った仲間ができることです。質問や相談も気軽にでき、望遠鏡を持っていなくても、仲間の望遠鏡を借りて観測ができるでしょう。大人数で観測するのもいいですし(深夜人気も月明かりも無い暗闇で観測する事が多いため、防犯面で安心)、曇った時や休憩時などの話し相手としても重宝します。また、仲間内にしか教えないマル秘スポット(観測地)やアイデアなど生の情報源も得ることができるでしょう。ここには書き切れませんが、仲間同士一緒に星を見れることによる楽しさは本当にいっぱいあります。時には星と関係なくキャンプに行っても良いでしょうし、親密になれば恋におちることだってあるでしょう。

 逆にデメリットを挙げるとすれば、大多数の同好会では会費をとられること。まあ、これは学生でもない限りたいした金額じゃないでしょう。そして、人が集まる以上人間関係の問題が出てくるかもしれませんが、相当な事がない限り大丈夫ですので問題ないでしょう。

 デメリットよりメリットの方が断然多いと思います。何事もデメリットを考えるとそこから先には進めません。さあ、同好会に入会してみましょう。

 

同好会を探す

 同好会には様々なものが存在します。活動内容、会員数、会員、所在地などどれをとっても同じものは2つとありません。入会したら、思っていたのと違っていたなんてことにはなるべくだったらしたくありません。そのためには自分の目的をしっかり持っていなければなりません。何のために入会するのか。入会したらどのような活動をしたいか、入会したい同好会とあなた自身に実際それが出来るのか。これだけは最低押さえておいて下さい。では、そろそろ探してみましょう。

 まず、できるだけ多くの同好会の情報を集めてください。それだけ選択の幅が広がる事になります。自分の住んでいる地域だけではなく、日本中の同好会をリストアップしてください。雑誌(月刊天文・天文ガイド・スカイウオッチャー)の会報紹介、イベント案内、同好会名簿、インターネットのホームページなどを見ると良いでしょう。

 

同好会を選ぶ

 同好会の種類は大きく以下の4つに分けることができます。全国的なものと地域的なもの。専門的なものと広く浅くのもの。だいたい専門的なものは全国的で、広く浅く初心者向けのものは地域的なものです。それぞれのメリット・デメリットはほぼ相対しています。

 ●全国的な会:日本全国に会員がいて、普段の活動には大変な制約があるが、流星観測や掩蔽観測などでは威力を発揮。日本中の会員と仲間になれる(けどなかなか会えない)。レベルの高いものが多く、会員数が多い。日本天文学会や東亜天文学会など。

 ●地域的な会:地元の会員が多く、毎月の例会や観測会など普段からみんなと一緒に積極的に活動できる。会員はセミプロから初心者まで平均しており、まったく初めてでも安心して入れる。飯能天文同好会や戸田天文同好会など。

 ●専門的な会:日本全国に会員がいて、天文の中でもある分野に的を絞って活動。レベルは高いが初心者でもそれに興味があれば大丈夫。日本流星研究会など。

 ●広く浅くな会:地域的な会がほとんどこれにも当てはまる。会員それぞれ天文だけが趣味ではないため、時にはバーベキュや登山なども。

 このページを読まれる方は、初心者の方が多いでしょうから、相当な意志と目的がない限り、お勧めは広く浅くの地域的な会です。

 

 その他、選択のための基準をいくつか・・・。

 ◎現在、会員募集をしているか?これは大事。入りたくても入れない。仲間内だけの活動で全く募集をしていない会もある。

 ◎最近の入会者はいるか?古株ばかりじゃ、最初から肩身狭いでしょ。

 ◎会員数は?入会したら、会員は会長と私の2人だけでした じゃしょうがない。

 ◎会員の年齢構成は?ある程度自分と同じ年代はいるか?話が合わなくなるかもしれない。

 ◎会員の男女比は?男50人に女1人じゃ女王様になりたい人以外は敬遠するでしょう。ただ、この世界では男女比7:3であればいいでしょう。

 ◎実際に何を活動しているか?例会や観測会はやっているか、その出席率はどうか。会報は出しているか。忘年会・新年会はあるか。(笑)

 ◎会費が活動内容に見合っているか?活動はたいしてやっていないのに、会費だけ高いんじゃね。全国的な会は若干高いけど。

 ◎主なメンバーのレベルは?これもちょっと気にしておこう。自分が上を目指すのなら、高いぶんには良い。

 ◎会員はどのような機材を持っているのか?色々な機材を見てみたい人は要チェック。

 ◎組織はしっかりしているか?これもちょっと気にしましょう。会費を払う以上、責任の所在がはっきりしていないとね。

 ◎ホームページがあったら、一度は目を通そう。いろいろな情報があるはずだ。

 

アポを取る

 さて、ある程度目星はついてきたでしょうか?気になる同好会が3つ程度に絞れたら、アポを取って見ましょう。ここで注意しなければならないことは、最初から入会希望ではなく、「今、同好会を探しています。よろしかったら同好会の案内書を送っていただけますか?」とする。そうすれば、相手に他の会も検討しているんだなと思わせ、余計な期待をさせないで済みます。さらに返信用の80円切手を同封しておけば、後々好感を持って接してくれるでしょう。ある程度しっかりした会で、また、普段から入会希望者が多い会ならば、案内書はすぐに送ってくれるはずです。気前の良い会ならそれだけで最新の会報を送ってくれるでしょう。その中から、実際の同好会の雰囲気を察する事ができます。

 後は、先の基準に従って、最後の選択です。どうしても迷ったら、会報を送ってもらったり、実際に例会や観測会におじゃまさせてもらいましょう。入会するしないにかかわらず歓迎してくれるでしょう。

 

番外

 どうしても期待した会がなければ、ご自分で同好会を作ることもできます。作っても最初は一人です。意見の一致する、気の合う仲間を地道に捜していってください。ただし、これはあまりお勧めしません。私自身1986年にある同好会を作って、後々結構痛い目を見ているからです。他人の作った会なら簡単にやめることが出来ますが、自分で作った会はその責任上なかなかやめられません。この辺の問題は違うページをご覧下さい。

 では、みなさんの今後のご活躍と楽しい天文ライフを期待します。

 

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