アマチュア無線の魅力


 アマチュア無線の魅力は人それぞれだと思いますが、私なりに書いていきたいと思います。

 

 昔からアマチュア無線は趣味の王様と言われてきましたが、最近は趣味の多様化や通信分野の劇的な変化のためちょっとマイナーな趣味になってきたように思います。タイトルで魅力と書いているので、魅力だけを書きたいところですが、その辺の時代の変化も合わせて書いていきたいと思います。

 

 私が免許を取った昭和62年は、携帯と呼べるほどの携帯電話は無く(大きくて重いものがほとんど)、自動車電話が契約時に保証金を何十万円も取られ、ポケットベルもビジネスマンとかが、ただピーピーと鳴るだけのものを持っている程度でした。アマチュア無線はもっぱら趣味の世界の事なので関係ないと言えば関係ないですが、まだまだ、友達との連絡用にはこれ以外に無いという感がありました。警察無線や救急無線、消防無線、航空無線、自動車電話などが無線機の簡単な改造(ハード改造とコマンド改造があった)によって簡単に傍受でき、そっちの趣味の方も楽しめた時代でした。(現在は警察無線と自動車電話(携帯電話)と一部の救急無線は、デジタル化によって簡単には聞けませんが、それ以外の無線は簡単に聞くことができます。)

 電波の状態によって左右されますが、アマチュア無線の世界では社会的地位や年齢、宗教などまったく関係なく、全世界のアマチュア無線局と交信できます。(北朝鮮のようにアマチュア無線が禁止されている所は無理です。北朝鮮人民はアマチュア無線という存在そのものを知らない可能性が高い)これが、最大の魅力である方も多いと思いますが、外国人と話すというと言語の問題がでてきて、親友までの仲になるには相当の語学力を要します。しかし、ごく簡単な交信は多少の英語が分かる程度で問題ありません。そして、免許さえ受ければ、衛星通信、月面反射通信などの特殊な通信や画像伝送(テレビ、SSTV)、FAX伝送、パケット通信、モールス通信、普通の電話(音声)通信など様々な種類の電波形式を用いて電波を出すことができます。

 アマチュア無線では、最初は全く知らない人と話す訳ですが、初めての人との交信ではだいたい名前(姓)と住所(市町村)、信号強度などを教え合うだけです。そして、何回か同じ人と話す機会があるといろいろな話題に花が咲くようになります。そうして徐々に気の合う仲間という人たちができ、そのうち実際に会う約束をして無線以外でも普通の友達としての付き合いとなります。やっぱり同年代の方と気が合うことが多いですね。まあ、しょうがないでしょうか。

 

 携帯電話がこれだけ普及した現在でも、アマチュア無線の活躍はたびたび耳にします。ついこないだは、大雪で遭難した登山隊がアマチュア無線を使ってヘリの出動を要請し、無事救助されたというニュースを見ました。携帯電話は、電波の出力が弱かったり、近くに基地局が無かったりして意外かと思われますが、山岳では使えないものです。(回線が繋がらなければ救助要請が出来ない。)その点、アマチュア無線は、24時間誰かしら呼出周波数(非常通信周波数)を聞いていますので、持って行ったトランシーバーが電波さえ出れば誰かと交信できる可能性が非常に高いのです。普通の電池が使えるので多少の予備を持って行けばもっと安心です。

 無線機は出力の違いから、携帯電話ほど小さくはありませんが、最近のハンディー機は持ち運ぶにも全く煩わしさを感じさせないくらい小さくなり、デザインも洗練された物になっています。ぜひ一度近くの無線機ショップで手に取られて下さい。

 資格や免許が一切不要の特定小電力無線機が近頃人気ですが、スキー場などに行くとどのチャンネル(周波数)も使っていてろくに使えない事があります。アマチュア無線ならチャンネルがいっぱいあるのでそんな事はまずありません。免許を持った仲間内でしか使えませんが、免許を取るのは簡単なのでぜひ仲間全員で試験を受けに行きましょう。特定小電力無線機に較べて電波の送信出力が大きいので山の裏側だって隣のスキー場だって交信可能でしょう。

 

 今は、性能の良い安価な製品が市場に出回っているので、昔に較べれば非常に入門しやすくなったでしょう。試験も国家資格としては簡単な部類に入り(全く勉強しなければ落ちると思いますが)、一通り勉強しておけばすぐに合格できると思います。さあ、あなたもアマチュア無線家の仲間入りをしてみませんか?もう少し詳しい事を知りたい方は、日本アマチュア無線連盟のホームページへリンクのページからどうぞ。


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